中学生から高校生にかけてできる思春期ニキビ。おでこや頬など顔の目立つところにできるのが特徴です。間違ったケアをすると悪化したり跡が残ったりしてしまうので、ニキビケアには正しい知識が必要です。
スキンケアについて調べてみるとビタミンC誘導体というものをよく目にします。
ここでは、それがどのようなものなのか、思春期ニキビにも効果があるのか、残ってしまったニキビ跡は消えるのかなどについてもまとめました。また手作りする方法や注意点もご紹介します。
ビタミンC誘導体入りの化粧水は思春期ニキビに効果的?
ビタミンCが肌に良いというのは昔から言われているので聞いたことがある人も多いと思いますが、肌にはバリア機能があるため、直接塗っても肌の内部には浸透しないことがわかっています。
肌の内部まで効能を浸透させることができるように作られたのが です。
そして、これを使った化粧水は思春期ニキビにも効果的と言われています。
ビタミンC誘導体って何?
には、シミの改善、ニキビやニキビ跡の予防と改善、美白効果、ターンオーバーを正常にするなどの美肌効果があるとされています。
そのため、化粧水などスキンケア商品にも「ビタミンC配合」と書かれているものも多くありますが、実はビタミンCはそのままの状態で肌につけても、バリア機能によって肌の奥まで浸透していかないので、美肌効果を得ることができないことがわかっています。
ビタミンC豊富なレモンをスライスして顔に乗せるレモンパックなどを見たことがある人もいると思いますが、意味がないのでやらないでくださいね。
意味がない以上に、レモンの果汁は肌への刺激が強いので、それが原因で肌荒れをしてしまうこともあります。
またビタミンCは酸化しやすく、空気に触れると壊れてしまいます。不安定で、肌の奥まで浸透させることができなかったビタミンCの有効成分を肌の奥まで浸透させるために改良されたのがビタミンC誘導体なのです。
は肌につけると肌の奥の角質層まで浸透し、体内で酵素反応によってビタミンCに変化します。そして、長時間活性を持続する性質があり、ビタミンCの持つシミの改善、ニキビやニキビ跡の予防と改善、美白効果、ターンオーバーを正常にするといった美肌効果を十分に発揮することができるのです。
を持つものがあります。
- 水溶性は水と相性が良いので化粧水に使われます。
即効性が高いのですが、刺激を感じる場合があるのが特徴です。 - 油脂性は油と相性が良いのでクリームや乳液に使われます。
浸透力が高いのですが、ベタつく感じがあるのが特徴です。
油脂性は油と相性が良いのでクリームや乳液に使われます。浸透力が高いのですが、ベタつく感じがあるのが特徴です。
水溶性と油脂性の両方のメリットを併せ持っているものは水にも油にも馴染むことができ、さらに浸透性も優れていてます。その浸透力は従来のビタミンC誘導体の約100倍とも言われています。ただ安定性が低く劣化しやすいというデメリットがあります。
ビタミンC誘導体が思春期ニキビに効果的な理由は?
思春期ニキビは、ホルモンの影響で皮脂の分泌が活発になることが原因です。
10代の肌は皮脂の分泌は活発になりますが、毛穴の発達がまだ不十分なため、毛穴が詰まりやすくなっています。そして排出しきれず詰まってしまった毛穴の中でアクネ菌が繁殖することで炎症が起き、ニキビができるのです。
ビタミンC誘導体にはこれらの効果が全て期待できます。
皮脂分泌をコントロールする働きがあり、過剰な皮脂の分泌を抑制することで、炎症を防ぎます。さらに収れん作用があるので、毛穴を引き締めて詰まりを改善します。
またターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面に残りそれが毛穴を塞ぐ原因になってしまうのですが、ビタミンC誘導体には血行促進作用もあるので、肌のターンオーバーを正常にする効果があるとされています。
ビタミンC誘導体の入った化粧水は?
化粧水にはたくさんの種類がありますが、どれがいいのか迷ってしまいますよね。化粧水だけではないのですが、スキンケア用品を選ぶときには成分表の確認をすることがとても大切です。
パッケージの裏側には必ず成分表があるのですが、カタカナばかりでわかりにくいので、注意して見ている人は少ないかもしれません。でもここにはとても重要な情報が書かれているんですよ。
種類が多いので表記の仕方はたくさんありますが、水溶性と油溶性ビタミンC誘導体の成分にはどのようなものがあるのでしょうか。
が入っている化粧品には
※一例です。
- リン酸アスコルビル
- リン酸型ビタミンC
- アスコルビルグルコシド
- アスコルビルエチルなど
が入っている化粧品には
※一例です。
- テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
- ステアリン酸アスコルビル
- パルミチン酸アスコルビルなど
しかし近年では、
お肌にビタミンCを届けるためには「水に溶けやすい:即効性」や「油に溶けやすい:浸透力」の性質を利用することが理想なので多くの化粧品もこの性質をもったビタミンC誘導体を使っています
また、避けたい成分には、石油系界面活性剤、アルコール、硫黄などがあります。着色料、保存料、香料なども刺激になる可能性があります。
APPSよりも新しくさらに浸透力が優れているとされるAPISが配合されている化粧水です。
ビタミンC誘導体の他にもヒアルロン酸やリピジュア、天然保湿因子など保湿成分がたくさん入っている化粧水です。
ビタミンC誘導体はニキビ跡にも効果があるの?
「やっとニキビが治った!」と思ったのにニキビ跡がいつまでも残ってしまう。ということありますよね。一度できるとなかなか消えないので、悩んでいる人も多いようです。
ビタミンC誘導体は肌を保湿し、ターンオーバーを正常にする効果が期待できるので、ニキビ跡の改善にも効果的とされています。
ニキビ跡の種類
一口にニキビ跡と言ってもそれには種類があります。ニキビ跡の種類によってセルフケアで改善できるものとできないものがあるので、まずは自分のニキビ跡がどのタイプになるのか考えてみましょう。
ニキビ跡の種類
- 赤いニキビ跡
1番多いのが赤いニキビ跡です。ニキビ跡の中でも軽症なものです。ニキビができて炎症を起こし、肌が傷つくとそこを修復しようと栄養を送るために毛細血管が張り巡らされます。その毛細血管が皮膚を通して見えることで赤みが見えます。この段階できちんとケアをしていれば、ニキビ跡はきれいに消える場合が多いです。 - 色素沈着したニキビ跡
茶色になったニキビ跡で、赤いニキビ跡よりも少し進んだ状態です。茶色く残ったニキビ跡はメラニン色素が原因です。ニキビができて肌に炎症を起こすとその部分を守ろうと過剰にメラニン色素が作られます。それがニキビが治った後もシミのように残ってしまうのです。また元々は赤いニキビ跡だったところが紫外線を浴びることで茶色くシミのようになってしまうこともあります。 - 毛穴が開いたニキビ跡
ニキビは毛穴に皮脂が詰まって炎症が起きることでできます。ニキビが治った後も毛穴が開いているように見える場合には毛穴の周りが浅い傷のようになっている可能性があり、それが毛穴が開いているように見える原因です。 - クレーターになったニキビ跡
炎症で肌の深い部分までダメージを受けてしまったときにニキビ跡がクレーターのようになってしまいます。セルフケアでの改善は難しく、皮膚科での治療が必要になります。 - しこりが残ったニキビ跡
肌の深い部分までダメージを受け、その部分を修復しようとした結果コラーゲンなどが過剰に作られてしまい、盛り上がってしこりになってしまいます。セルフケアでの改善は難しく、皮膚科での治療が必要になります。
ニキビ跡に効果的なビタミンC誘導体配合の化粧水は?
セルフケアで改善が期待できるのは
です。ニキビ跡の改善に必要なのは、ターンオーバーを正常にさせることです。
人間の肌は約28日の周期で新しい細胞に生まれ変わると言われています。このサイクルが整っていれば、ニキビ跡になっているところも新しい細胞と生まれ変わりきれいになるはずです。
もし、長期間ニキビ跡が残っているのならターンオーバーが正常に行われていないということが考えられます。
ターンオーバーを正常にさせるためには、睡眠やバランスのとれた食事も大切ですが、スキンケアでは血行を促進して新陳代謝を促すようなものが良いとされています。また色素沈着しているものには美白効果があるものも効果的です。
なので、ビタミンC誘導体が配合された化粧水はニキビ後の改善にも効果的なのです。
ビタミンC誘導体入りの化粧水は手作りできる!
ニキビやニキビ跡の改善にビタミンC誘導体が効果的なのはわかっていただけたと思いますが、ビタミンC誘導体が配合された化粧水は高いです。効果があるけど高いものは継続して使うことが難しいですよね。ここでは手頃な価格で試せるように手作りの方法をご紹介します。
粉末のビタミンC誘導体がおすすめ
ビタミンC誘導体はamazonや楽天などネットから購入することができます。
10gで千円少し超えます。このように書くと「高い!」と感じるかもしれませんが、こちらはAPPSなので、推奨される配合濃度は1%でOKなのです。
そのため、10gあれば化粧水なら1000mlの化粧水が作れる計算になります。
ビタミンC誘導体は濃度が高ければ効果が高いというわけではありません。濃度を濃くすると肌の刺激になり逆に悪い影響が出ることがあるので、必ず濃度は守るようにしましょう。
水溶性の場合には推奨されている濃度が2〜5%です。
こちらは20g入りなので5%で作ると400mlの化粧水ができます。水溶性は刺激を感じる人もいるため初めは2%の薄い濃度から試してくださいね。
思春期ニキビの場合には過剰な皮脂が原因となっている場合が多いので、ビタミンC誘導体は水性か水性と油脂性両方の性質を持つものを選びましょう、油脂性は油分を含んでいるため、使用感もべたつく感じがあるので思春期ニキビには向きません。
化粧水を手作りしてみよう
化粧水の作り方はとても簡単です。しかも市販品よりもかなり安価で作ることができます。保存料も香料も着色料も使用しないので、肌に優しい化粧水です。
ニキビで悩んでいる人の中には、市販の化粧品には含まれる添加物が刺激になってニキビが悪化している場合もあります。シンプルで余計なものが入っていない手作りの化粧水に変えるだけで、肌の状態が良くなる人もいるそうですよ。
ただし、注意して欲しいのが衛生面です。保存料や防腐剤などが一切入っていないので、菌が繁殖しやすく作るときも保管するときも注意が必要です。
用意するものは、スプレータイプの保存容器、ビタミンC誘導体、精製水(ミネラルウォーター)、グリセリン、ビーカーです。
ビタミンC誘導体はサラサラのパウダー状です。
化粧水を作る前には石鹸で手をきれいに洗います。そして保存容器やビーカーはエタノールで消毒しておきましょう。
ビタミンC誘導体は酸化しやすいので、化粧水は冷蔵庫に保管しても4日しか持ちません。50mlぐらいずつ作るようにしましょう。
精製水50ml、グリセリン小さじ1/4、ビタミンC誘導体0.5gをビーカーで混ぜ合わせます。
保存容器に移したら完成です。
50mlは朝夜使っても余ってしまう量かもしれません。この化粧水はヘアスプレーにもなるので寝癖直しにも使えますよ。
まとめ
手作りの化粧水は保存がきかないので数日おきに作らなくてはいけませんが、市販の化粧水と比べるととても安価でできます。市販の化粧水に満足できない方はぜひ一度試してみてくださいね。