確定申告の医療費で領収書の計算方法は?控除額と還付金はいくら?
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出産や医療費にかかった費用が今年はたくさんかかったので、はじめて確定申告して還付金を請求しようと考える方のなかには。
確定申告の医療費の領収書の計算方法について、夫婦共働きで子供がいる場合などどのようにまとめたらいいのかわからないという方もいると思います。
年に一回しかしない確定申告で面倒臭いのが原因で医療費の領収書の計算もこの時期にあわてて控除額の計算方法を調べる方も多いでしょう。
領収書のまとめかたや、医療費の控除額の計算方法、そして確定申告書の書き方と還付金の計算方法について紹介しています。
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確定申告の医療費の領収書の計算方法について。
1年間の医療費が10万円を超えたら医療費控除を申告することができます。
この「医療費」というのは、「自分だけ」の医療費ではなく、本人と配偶者と扶養の親族の医療費を合計したものが10万円を超えたら確定申告をすることができますので、申告を行いましょう。
国税庁のHPには「納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。」と記載されています。
引用:国税庁のHP
医療費控除に必要な書類と領収書の計算方法について。
医療費の確定申告を行う場合、「納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。」とされていることから、夫婦共働きの場合この「納税者」を誰にして申告をするのか?という疑問がわいてくると思います。
税法上の難しい計算がありますのでここでは説明は省きますが、所得が多い人が医療費控除の申告をした方が還付金が多いです。
夫婦で働いている場合は、通常であれば夫の方が所得は多いと思いますので、夫が家族分の医療費をまとめて確定申告するといいでしょう。
夫婦共働きの場合は、所得の多い夫(又は妻)がまとめて申告をする方が還付金が多い!
確定申告の医療費控除をするためには、まず領収書の整理からする必要があります。
まずは1年間の家族分の医療費の領収書をすべて手元に持ってきましょう。
医療費の明細書のほかにも必要なものがありますのでチェックをしていきましょう。
必要書類はこちらをチェック!
- 家族分の医療費の領収書
- 納税者の源泉徴収票
- 還付金を振り込んでもらう銀行口座の通帳
- 確定申告書A参考PDF:確定申告書A用紙
- 医療費明細書参考PDF:医療費明細書用紙
※医療費の明細書の詳細についての参考記事として「確定申告の医療費控除、交通費の書き方は?記入例を知りたい!」も合わせてご活用ください。
医療明細書の書き方見本。
まずは、医療費の領収書を人別に分け、そこから更に病院ごとに分けていきます。
薬局で購入した医療費があれば、薬局ごとに分けましょう。
分け終わったら、ホッチキスやクリップでまとめると集計がしやすいです。
※領収書のまとめ方の詳細についての参考記事として「確定申告の医療費控除とは?対象とサラリーマンの書き方は?」も合わせてご活用ください。
レシートはスマホで撮るだけ
確定申告は1年に一度だけするのですが、年間の医療費にかかった費用や交通費の領収書やレシートをまとめるのが大変です。
実は確定申告で一番面倒臭いのはこの「領収書とレシートの仕訳作業」なんです。1年間に受け取ったレシートや領収書を仕訳するために非常に便利なものがあります。
スマホをお持ちの方なら誰でも無料で自動で仕訳してくれます。
参考サイト:領収書やレシートはスマホで撮るだけ
領収書を家族別に仕分け出来ましたか?そしてクリップでとめたなら領収書を合計し、合計したものをさっそく「医療費明細書に写し書き、合計した金額をA、Bに記入」しましょう。
「左のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額(※赤枠)」については、契約している保険会社があり、そこから保険金が支払われた場合があれば、支払われた保険金額を記入しましょう。
医療費の明細書(上部)に書き写すことができたら次は控除額の計算(下部)をC⇒Dまで順序にそって記入し始めます。
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確定申告の医療費の控除額の計算方法について。
ここでは医療費明細書の下部にあるA⇒Gまで計算して控除額を算出する手順です。
医療費控除額の計算方法について。
領収書をまとめて明細を記入したら、次は医療費控除額を計算していく必要があります。
源泉徴収票も必要となるので、この時点で手元に置いておきましょう。
医療費明細書の【控除額の計算】書き方見本。
以下の画像を例に控除額の計算の記入例を見ていきましょう。
【控除額の計算】に金額を記入していきましょう。
- A「支払った医療費」の合計額(520,000)
- B「保険金などで補填される金額」の合計金額(177,000)
- C「差し引き金額(A-B)」520,000-177,000=343,000(343,000)
- D「所得金額の合計額」(5,226,000)
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額※赤枠」の部分を記入しましょう。
- E「D×0.05」5,226,000×0.05=261,300(261,300)
- F「Eと10万円のいずれか少ない方の金額」261,300<100,000(100,000)
- G「医療費控除額C-F」343,000-100,000=243,000(243,000)
これで医療費の明細書の記入が終わりました。
関連サイト:確定申告の医療費控除で領収書の提出方法は?
そして、これをもとに「確定申告書A」に記入をしていきます。
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確定申告の医療費の還付金の計算方法について。
領収書をまとめて医療費明細書に記入し控除額を計算したら、次は還付金を計算していく必要があります。
源泉徴収票も必要となるので、この時点で手元に置いておきましょう。
それでは「確定申告書A」に記入をしていきます。
還付金はいくらになる?記入例の見本!
以下の画像を例に確定申告書Aの記入例を見ていきましょう。
確定申告書Aの書き方見本
確定申告Aに源泉徴収票を見ながらまずは記入をしていきましょう。
そして記入できたら計算していきましょう。幾つかのポイントと注意点がりますので手順にそって計算していきます。
一見ややこしそうですが、下記を参考にすればそんなに難しくはありません。還付金のために頑張りましょうね。
確定申告書Aの書き方手順
上記の表のNo.1⇒11までと下記の順番と見比べていただければわかりやすいです。
- 「給与 ア」には源泉徴収票の支払金額
例:(7,140,000)を記入
- 「給与 ①」には源泉徴収票の給与所得控除後の金額
例:(5,226,000)を記入
- 「合計額(①+②+③+④)=⑤」
例:①~④に記入された合計金額を⑤に記入(5,226,000)
- 「⑥から⑮までの計⑯」には源泉徴収票の所得控除額
例:(2,462,961)を合計額を記入
- 「医療費控除 ⑱」には医療費の明細書のGの金額
例:(243,000)を記入
- 「合計(⑯+⑰+⑱+⑲)=⑳」には⑯~⑲に記入された合計金額
例:⑳に記入246,961+243,000=2,705,961(2,705,961)
- 「課税される所得金額(⑤-⑳)=21」に記入
例:5,226,000-2,705,961=2,520,039 千円未満の端数は切り捨てる※1ので2,520,000(2,520,000)
- 「上の21に対する税額を22」に記入
例:確定申告の手引にあてはめて計算※2 2,520,000×0.1-975,000=154,500(154,500)
- 「差引所得税額33」22~下の金額をマイナスした金額を記入
例:(154,500)
- 「源泉徴収税額35」源泉徴収票の源泉徴収税額の金額
例:178,800を記入(178,800)
- 「還付される金額37」
例:(33-34-35)=還付される金額 154,500-178,800=△24,300(24,300)
※1 千円未満の端数は切り捨てる:確定申告の手引P29の計算欄①
※2 確定申告の手引にあてはめて計算:確定申告の手引P29の計算欄②
これで還付金額が計算により導き出されました。ご苦労様でした。
確定申告Aで医療費控除を受け還付金を申告される時の注意
給与所得について年末調整を受けた方で、医療費控除を受ける場合が対象となります。
確定申告Aの用紙は複写になっていますので、折り曲げて書くと複写が重複しますので注意です。
複写の用紙を外して使っても良いようですが、手元に残したい方はご注意願います。
そして記入の際は「ボールペン」で書くことをおすすめいたします。
金額を書き間違ってしまったら下記のように上下の空白欄に訂正線と矢印を入れて記入しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
確定申告の医療費控除の領収書の計算方法と、確定申告の記入例についてまとめました。
還付金がある場合は、必ず3月15日までに確定申告をして還付金を受け取りましょう。
今回は、手書きで計算する方法についてまとめましたが、国税庁のHPには所得金額等を入力すると税額部分については自動計算してくれるものがあります。
「確定申告の医療費控除とは?対象とサラリーマンの書き方は?」に国税庁HPのリンクを張ってありますので、そちらを参考にしてみてください。