お正月に鏡餅を飾るのは日本では常識なのですが、実は飾り方の知らない方も多くお供えをする場所もよく理解していない人もいらっしゃいます。
また、鏡餅はいつから飾るのか?
鏡餅はいつまで飾るお供え物なのか?
このことも良くわからない方も多くおられ、お子様を育てるうえで親が教えて差し上げることもできないでいる事実を知りまとめてみました。
鏡餅の飾り方は-お供えの仕方は?
鏡餅の飾り方-お供えの基本
鏡餅のお供えの飾り方においては
※お供えの仕方は画像を参照のこと
地方や年代によって様々な様式での飾り方がありますが、基本は上記の様式になります。
そして今では簡略化されてきているものの、三方に半紙を敷いて鏡餅を飾る基本に、縁起をかついで「橙(だいだい)」や「裏白(しだ)・譲葉(ゆずり葉)」「昆布」「串柿」「海老・干しスルメ」などを用いて飾る方法もあります。
飾り方の基本を押さえれば各地の慣習やお家の作法にのっとってお供えしますが、これといった決まり事はありなく豪快に飾るのも良し、質素に飾るのも良いのです。
ただ、お供えの仕方は日本国内で各地方によって異なるのすが、一年の初めに年神様にお供えする二段重ねの円形のお餅には、年神様の供物として霊力が宿るとされています。
誰でも年齢を一つ重ねる正月にその年の幸いを願って鏡餅をお供えしますので「報恩・感謝」の気持ちは忘れないようにしましょう。
鏡餅に好まれる縁起の良いお供え物-意味と由来は?
縁起の良いお供え物ですが、紹介するすべてをお供えしなくてはイケナイなんて考えないでください。
鏡餅の飾り方イメージ:画像をクリック⇒
仏様や神様にはお供えの豪華さの優劣よりも、お気持ちが大切なのです。
三方・三宝(さんぽう)
- 一般的に三方はお盆の下に台座がついたカタチで、材質はヒノキや杉を使ってつくられている。仏や神に供物を供養する時や高貴な人物に物を献上する際にも使われています。三方の向きは台座の飾り穴のない面を仏・神前に向けてお供えします。
四方紅(しほうべに)
- お供え物や鏡餅を乗せる色紙で、四辺を紅色で縁取った紙のことです。天と地四辺の災いを払う意味で、無病息災を祈念する意味があります。
ない場合は奉書(ほうしょ)か和紙で代用すると良いでしょう。
御幣(ごへい)
- 神事でのお祓いに使う幣束(へいそぐ)の先の紙のことです。白色や赤・金銀などの紙を細長く切って交互に織り綴って作る。お祓いや清浄な場所で神様を願い祈念します。
橙(だいだい)
- 寒時期から年を越しても実は木から落ちないことで「代々」とも言う。この語源から「代々栄える」という縁起をかついだ語呂合わせで鏡餅の飾りに使われる。みかんを代用するのは間違いでこれでは意味がない。風味があって薬味にも使われる橙だけど古来は「橘(たちばな)」とも呼ばれた。
裏白(うらじろ)
- 裏白はシダの仲間で、裏が白いので「心の潔白」「白髪ななるまで長生き」などの意味で縁起の良い植物なんです。また長寿の意味でもお正月のしめ飾りにも使われています。
譲葉(ゆずり葉)
- 常緑木種の譲葉は、枝先に集まって葉を作り、新葉が出てきてから古い葉が落ちることから親から子へ相譲ることに例えられ縁起を祝って子孫繁栄として鏡餅に飾られる。
昆布(こんぶ)
- 昆布は古来から日本人には馴染みの深い食べ物で、縁起物としても使われています。別名「ヒロメ」「えびすめ」ともいい「広布」と表記して結婚式の「お披露目」の語源ともなっています。また語呂合わせで「よろこぶ」ともいい祝いやお正月飾りにはなくてはならないのです。
串柿(くしかき)
- 柿は別名「嘉来(かき)」とも言い喜びと幸せが来る縁起物として重宝されていました。串柿は串に多くの柿をさして喜びを表し、三種の神器の「剣」として飾られています。
海老(えび)
- 海老は字の如く海老の体型も交えてお年寄りをイメージして「腰が曲がるまで長生きする」という長寿をあらわす代表格な縁起物。結婚式の祝の席やお正月には欠かせない飾り物です。
干し するめ
- するめイカを干して乾燥させた乾物。日持ちがよく縁起の良い「良いことが続く」とし、お金のことを「お足」といったことから縁起物として重宝される。また、するめは「寿留女」とも書き長寿・良縁・良妻を表している。
その他「稲穂(いなほ)」や「ほんだわら」などの稲や海藻もお供えする風習もあります。
鏡餅で新たな年を迎える大切なお正月に向けて、縁起の良い年になるようにあなたのご家庭の作法をつくりましょう。
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鏡餅は「いつから飾る いつまで飾る 」のか?
鏡餅 いつから飾る いつまで飾るのでしょう。
鏡餅の飾る期間は地方によってまたは、お家の慣習によって様々ですが「しめ縄」を飾るのと同じような期間で飾り始めて、飾る期間が終了すれば下げた鏡餅は「鏡開き」に使いお餅を家族で食します。
- 通例では12月28日に鏡餅を造り飾り始めます。「ハチ」のつく日は末広がりを意味するもので縁起が良いとされているからなのです。
その他にもキリの良い数字として30日などもあります。
29日は「苦(9)」を忌み嫌うヒトもいますが、地方によっては「29=福」と読み替えてこの日に鏡餅をお供えするところもあります。
気をつけないといけないのは「一夜飾り」として31日は避けるのが良いでしょう。年の終わり最後に飾るのは「葬儀の飾り方」に似ているため、忌み嫌われています。
次にいつから鏡餅をお下げするのでしょうか?
- 諸説あり地方によって異なりますが「松の内(1月7日)を過ぎたらお下げして1月11日に鏡開き」を行うのが一般的です。
神様の供え物ですので、松の内期間に下げて鏡開きするのは一部の地域をのぞいて一般的ではありません。
松の内が終わればお供えは下げて鏡開きのお餅として準備して保存しましょう。
神様や仏様へお供えした鏡餅を家族で食することは縁起の良い行いです。
一般には12月28日に家族で一緒にお餅を造り鏡餅もこの日をさかいにお供えして飾ります。
鏡開きの日まで飾るのも良いですが、鏡餅をすぐに家族で食べるには切り分けて食べる時間が必要になります。
出来れば鏡開き前にはお下げして鏡開きの日のために下準備をされたほうが手際よくできます。
鏡開きの日のために下準備をされたほうが手間が掛かりません。
鏡餅の食べ方を教えて!
鏡餅のお供えが終わり飾り終えたお餅は何かと面倒だと考えられているかもしれません。
でも、乾燥した鏡餅は少しの時間があれば一気に仕上げなくても段階を重ねることで美味しい食材に変わっていきます。
鏡餅 食べ方のレシピは
鏡餅でサクサクスナック菓子
- 鏡餅を木槌や金槌で叩き割ります。一口大までの大きさになるように。
- 叩き割った鏡餅をザルや干物用のアミなどに入れて、半日以上日陰で乾燥させましょう。
※湿った状態では上手く揚がりません。乾燥させるほど良く揚がります。 - 170℃に熱した油の温度で鏡餅を2度揚げしてください。泡が静かになれば出来上がりです。
- 揚げ終わった鏡餅におこのみで「塩や青のり、ガーリックパウダー」などを熱いうちに適量振りかけて混ぜ合わせれば出来上がり。
- おいしい鏡餅スナック菓子の出来上がりです
この場合薄くスライスさせることで、食べやすくサクサクになりますよ
。
※湿った状態では上手く揚がりません。乾燥させるほど良く揚がります。
おうどんやお蕎麦にも薬味の一つとして、天かす代わりにも役に立ちますよ♪
みたらしあんかけ焼き鏡餅
- 小鍋にこいくち醤油大さじ一杯を入れます
- さらにお砂糖大さじ一杯も入れます。
- 水を1/4カップ(50ml)を入れて煮詰めてください。
- 中火の弱火で煮詰めて、頃合いを見て「水溶き片栗粉」をいれてかき混ぜとろみをつけます。
- 砕いた鏡餅を香ばしく焼いてかけるだけで出来上がりです。
鏡餅は固いので、ぬるま湯や水につけて少し水分を含ませて、電子レンジなどで様子を見ながら柔らかくします。
※レンジから出して切り分ける時「やけど防止」のため軍手をしてね!
その後、焼くなり煮こむなりすれば柔らかく美味しく食べることができます。
鏡餅 食べ方の注意点(固い・カビ・ヒビ割れ・その他)
カビが生えた鏡餅は食べられるのか?
カビが生えたお餅は食べないほうが安全です。お餅のカビは大丈夫という説が昔からあり、少々のカビは包丁で切り落として加熱すれば大丈夫と言われておりました。しかし今の時代衛生面から見て食べないほうが良いと言われています。
でも、どうしても食べたい場合は「お餅を大胆に削り」カビの付いた箇所を除き加熱して食べましょう。
お餅はどのくらい日持ちしますか?
お餅は外気に触れるとカビなどの雑菌がつき始めてカビの苗床になり始めます。したがってお早めにお召し上がりください。
鏡餅はお供えしますので、できるだけ風通しの良いカビが繁殖しにくい場所が最適ですが、難しい場合もあります。
※暖かく湿った冬場のお家では、鏡餅はカビが生えやすくなります。
鏡餅が乾燥して固くなりひび割れています鏡開きする方法は?
金槌か木槌で叩き割る方法をオススメいたします。またはぬるま湯にしばらくつけて切り分ける方法もあります。
この場合カビなどの生えた箇所は大胆に刃物で削りましょう。
そして電子レンジで柔らかくして切り分けてお召し上がりください。
身内に不幸があり「喪中」なのですが鏡餅を飾るのは控えたほうが良いでしょうか?
鏡餅はお正月にその年の歳神様をお迎えして供える供物で、先祖崇拝や子孫繁栄・家内安全を願う風習です。
ですから喪中で身内にご不幸があっても亡くなられたご先祖を敬い、その年の健康と家内安全を願うなら鏡餅はお供えして飾り、歳神様になくなった方の安穏を願うのが逆に大切なので飾りましょう。
まとめ
日本の伝統文化としての「鏡餅」はどんな時代になっても継承していきたいと願っております。
親から子へ文化を繋ぐことで良き行事を学ばせて、子から子孫へ受け継がれることを教えるのも親の勤めだと私は考えているのですが、いかがでしょうか?
世知辛い世の中ですが「蔵の財よりも身の財すぐれたり、身の財より心の財第一なり」という格言もあるように、親がお子様に鏡餅について語る場をつくりコミュニケーションをとるのも大切な行事なのです。
>>ご参考になれば幸いでございます。