台風や大雨で近所の川があふれだすと、我が家やわが町は大丈夫でしょうか?
避難所への経路や逃げ場を確保するにも、イザという時にあわてずに行動が出来るでしょうか?
水害は川のはん濫で起きるのが最も多く、川の防災を考えるために我が家とわが町の防災情報を知っておきましょう。
ここでは我が家が水に浸かる前に押さえておきたい10の防災情報をまとめてみました。
今年(2014年8月)の台風を伴った大雨で西日本では大きな水害に襲われてしまいました。
特に四国地方では、降り始めからの雨量が1000ミリを超える等、8月の月降水量(平年値)の2~4倍となっている所があり、局地的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨の降った所がありました。
降り始めてから対処するまで時間はあるものの大半の人は、未曾有の自然現象には鈍感で事前に防災情報を入手することもなく受け身で終わった感じがして被害も深刻でした。
そこで、川の氾濫で我が家が水に浸かるかもしれないかたに水害に対して備える防災情報を提供致します。
わが町と我が家周辺の水害予測を知る方法
川のはん濫での洪水や浸水は、時には激しくまたは、水が静かに急速に浸かっていきます。
気がついた時はもはや避難できない時も想定して、我が家やわが町の水害時の浸水情報を知っておきましょう。
タイミグよく避難指示が「耳に入る」ばかりじゃないのですから・・。
1ハザードマップポータルサイト
国土交通省の全国ハザードマップにて川のはん濫での浸水被害の想定を使って、現在お住まいの我が家やわが町の水害の被害を想定することができます。
また台風や大雨での土砂災害や高潮、津波など自然災害を元にしたテーマでお住まいの地域の情報をハザードマップとして誰でも見ることができます。
川のはん濫による水害を事前に予測して、お住まいの浸水が起こるのか?または避難する経路を事前に想定することも可能です。
洪水ハザードマップを見ると、川の水が溢れて町が水に浸かれば避難するのも困難です。このハザードマップで実際どのくらいの深さの浸水が起こるのか事前に判断できますので我が家の避難場所の選定にも役に立つでしょう。
関連サイト:浸水想定区域ハザードマップへ
水害に備えてリアル観測情報を集める方法
川のはん濫での水害で損害を受ける前に、リアルタイムで国土交通省や気象庁の予報(警報・注意報)などを押さえて、都道府県の行政から発する洪水注意報・警報などを加味して、お住まいの近くの河川状況を知っていく流れが最も確かです。
避難行動で初動時の行動においての決断にも役に立ちます。
下記の流れで状況を監視していれば、イザという時にリアルタイムで防災情報が手に入りやすく危機管理がしやすくなります。
2気象庁、指定河川洪水予報
あまり聞き覚えのない「指定河川洪水予報」ですが、お住まいの町には比較的大きな河川が流れていますか?都道府県をまたぐような流域面積が広く、洪水が起これば大きな損害が起こると予想される河川の洪水予報のことです。
河川は国や都道府県が管理しておりますので、その中で気象庁も含めて代表的な河川を指定して「洪水予報」を行っています。
今年の夏(2014年)は天候不順で、この洪水予報が都道府県から市町村経由で個人の携帯電話にメール(ドコモのエリアメール)での予報が頻繁に執り行われました。
気象庁よりの予報には洪水予報がありますが、一般に使われるのが「洪水警報」や「洪水注意報」などが知られていることと思います。
しかし「指定河川洪水予報」の場合、気象庁と国土交通省との予報と気象庁と都道府県との共同で行う予報が「指定河川洪水予報」となります。気象庁単独で行う「洪水警報・注意報」と違い「指定河川洪水予報」はより具体的に対象河川の氾濫レベルの基準に合わせて住民に発せられます。
関連サイト:現在発表中の指定河川洪水予報へ
3川の防災情報
台風や大雨での長雨時には多くの気象情報や予報が頻繁に変動していき、常に情報を収集することが大切です。
中でも洪水の情報をいち早く手に入れられるのはメディアだとお考えの方もおられますが、実は国土交通省管轄でのWebサイトがあります。
これが「川の防災情報」です。
いまではスマホや携帯でも閲覧可能で、リアルタイムでの雨雲の変動や雨量のほかに川の水位、そして洪水の恐れのある河川の洪水予報が一度に入手出来るのです。
お気に入りのページに登録しておくことをオススメいたします。
関連サイト:リアルタイム川の防災情報へ
4都道府県の防災関連
気象庁と国土交通省の予報や防災情報を得ることができたなら、次は各都道府県別の防災関連ページをお住まいの行政として覚えておきましょう。
地域の行政では刻々と変わる予報や水害の規模や避難勧告ならびに避難指示など細かく情報を閲覧できます。
よりお住いの地域にそくした情報が比較早く手に入れられるため非常時には大変便利です。
河川の氾濫状況や被害、または具体的な避難先なども発信してくれますので押さえておきたいですね。
関連サイト:都道府県の防災ページへ
5リアルタム雨量レーダ
国土交通省の防災情報提供センターのホームページに有る「リアルタイムレーダ」を使った雨量(広域版)では雨雲の流れやこれからお住いの地域に来るだろうと予想できるように最新観測時刻から24時間までさかのぼって雨雲の動きや雨量を表示してくれます。
河川の氾濫の恐れのある地域では、たとえ現在雨が降っていなくても実は上流で猛烈に雨が降っていることも有ります。
このような時にリアルタイムレーダを使えば大まかな予測もでき、これからの行動も読みやすくなります。
関連サイト:防災供給センター:リアルタイムレーダへ
6XRAIN(XバンドMPレーダ)雨量の情報
XRAIN(XバンドMPレーダ)による雨量の配信情報を集めましょう。
XバンドMPレーダとは国土交通省管轄の高精度の降雨強度を観測でき、従来のリアルタイム雨量広域レーダに比べてさらに高頻度(5分間隔⇒1分間隔)であり、そしてより詳細な雨量観測ができるのが「XRAIN:エックスレイン)」の運用が始まっております。
このXRAINの運用を全国展開し始めていますが、今現在(2014年8月現在)すべての全国運用はできていません。しかし今現在最もリアルタイムで雨雲の動向をチェックできるすぐれものです。
高精度のXRAINですが、上空の雨粒を観測している他のレーダと違いXRAINでは観測性能向上のために低い高度での観測を行っている特性により、地上の構造物や樹木等が映り込む現象(グランドクラッタ)がおこることも有ります。
また、XRAINは遠方になれば観測性能は低下いたしますが、複数レーダでカバーして弱点を補強していく方針だと聞き及んでいます。
広域レーダーと比べて約16倍の観測精度をほこるXRAINはゲリラ豪雨などの局地的な雨雲や雨量の変動を、ほぼリアルタイムでデータとして閲覧できるのです。
関連サイト:XRAIN(XバンドMPレーダ)雨雲・雨量の情報へ
7河川のライブカメラ
河川がはん濫する恐れのあるときって実際に川に出向いて状況を確かめたいと考えるますが、実際出向いて災害に巻き込まれる恐れもあり危険です。すべての河川の状況が知りたいとは考えていませんが、せめて近くの河川の状況は知りたいものです。
河川のはん濫状態を確認するためにもカメラにとってリアルにライブ放送を見れるのが「河川ライブカメラマップ」です。
残念ながら、日本全国の河川を網羅しているのではありませんが、お住いが対象河川近くだと便利だと思います。
都道府県別にフォルダ名がありますのでクリックしてマップに現れたアイコンをクリックすれば対象河川のライブカメラページに飛びます。
関連サイト:河川ライブカメラマップへ
行政の警報・注意報の意味と種類
気象庁や都道府県から発せられる情報にこの頃戸惑いがあることに気づいたものに「洪水注意報・警報」や「はん濫警戒・危険情報」などや「避難勧告・指示」などがあります。
川の防災でのこれらの注意や警戒が合わせて発表されると、どれがどのように従ったほうが良いのかわからなくなります。
行政や国は分かり易くしようとして発令しているのでしょうが、いまいちわからないのです。
8気象庁の気象警報・注意報の種類
いままでの気象庁の「洪水予報」には2つしかありませんでした。
洪水警報
洪水警報は、大雨、長雨、融雪などにより河川が増水し、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。対象となる重大な災害として、河川の増水や氾濫、堤防の損傷や決壊による重大な災害があげられます。
洪水注意報
大雨、長雨、融雪などにより河川が増水し、災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。対象となる災害として、河川の増水や氾濫、堤防の損傷や決壊による災害があげられます。
しかし、実際によく目にしたのが「はん濫注意情報」「はん濫警戒情報」「はん濫危険情報」などが多く、いままで使ってきた上記の注意報や警報とどのような関係があるのかよくわからないまま情報を受けていました。
調べてみますと気象庁や都道府県が発令する「はん濫注意情報」は「洪水注意報」に相当し「はん濫警戒情報」「はん濫危険情報」「はん濫発生情報」は 「洪水警報」に相当します。
ちなみに洪水予報には今年話題となった「特別警報」はありませんでした。
9地域の行政(市町村)の避難勧告、避難指示情報
避難勧告や指示については意外と古くからあり、昭和36年に制定されている「災害対策基本法」によるもので、行政の市町村長が発令する勧告や指示は拘束力はないものの市町村長が要求すれば警察官と海上保安官が避難を指示させることができます。
その他に罰則のあるものには「警戒区域」があり権限無く立ち入れば罰則を適応されるおそれがある。
どちらにせよ危険を感じた時には自己責任で判断し早めに避難することが大切です。
種類 |
危険度 |
内容 |
警戒区域 |
危険 |
設定した区域への立ち入りを制限、禁止またはその区域から退去を命ずるものです。
従わない場合、罰金または拘留の罰則が科せられます。 |
避難指示 |
強 |
人的被害の発生する危険性が非常に高い状況です。直ちに避難してください。 |
避難勧告 |
中 |
該当地域に居住する方は計画された避難場所などへの避難行動を開始してください。 |
避難準備 |
弱 |
要援護者など避難に時間がかかる方は避難行動を開始してください。
それ以外の方は家族等と連絡を取り、非常用持ち出し品の用意をするなど、避難準備を開始してください。 |
10水防警報
水防警報とは気象庁が発令する洪水警報とは異なり、河川管理者の国土交通省や都道府県などの大臣や知事が水防機関に対して発令し発表するもの。
気象庁や都道府県が発表する洪水予報や避難勧告・指示とは性質が違い、河川のはん濫を警戒するため所定の水位に水が迫れば水防に関わる機関の出動や早い段階での準備などの契機にするもので、水防団や消防機関の出動の基準となるのです。
ですから、気象予報などの警報とは性格が異なるものなのです。
種類 |
内容 |
基準 |
待機 |
出水あるいは水位の再上昇が懸念される場合に直ちに水防機関が出動できるように待機する必要があることを警告するもの |
気象予・警報等及び河川状況等により、特に必要と認められる場合 |
準備 |
水防に関する情報連絡や水防資器材の整備等に努めるとともに水防機関に出動の準備をさせる必要があることを警告するもの |
雨量、水位、流量とその他の河川状況により必要と認める場合 |
出動 |
水防機関が出動する必要があることを警告するもの |
はん濫注意情報、または水位、流量その他の河川状況により、はん濫注意水位を超える恐れがある場合 |
解除 |
水防活動を必要とする出水状況が解消したこと及び当該基準水位観測所名による一連の水防警報を解除することを通告するもの |
河川水位がはん濫注意水位以下に下降したとき、またははん濫注意水位以上であっても水防作業を必要とする河川状況が解消した場合 |
まとめ
自分の家が河川のはん濫なので水に浸かる恐れがあるかどうか、ハザードマップで確認して見ることの重要性は水害が起こってから被害を最小限に抑える事ができます。
またリアルタイムで気象の変動による河川の情報も、慌てずに手に入れられるなら受け身の情報より早くから水害の対策が出来る時間も稼げます。
水のはん濫はある時は激しく、ある時は静かにそして短時間で押し寄せる特性があるため気づいてからの対応では被害の大きさが違ってきますので、事前に時間を稼げるのは被害を最小限に抑えるのと避難時間も確保できますのでより安全な行動ができることでしょう。
水害にあった私の体験談では、行政の避難指示などはタイミグが合えば良いのですが、あわないと取り返しの付かないことになります。
また大雨や豪雨によって避難や警告を発しているにも関わらず住民が対応できないのはいろいろ原因が有りますが、自宅にいても停電などで、メディアに接することができなかったことや、防災無線や放送も雨の音にかき消され聞こえなかったなどいろいろ有りますので、携帯やスマホなどでも情報の入手が出来るようにしておきましょう。
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