脇汗対策を検索しているとよく見かけるのが「ボトックス注射」です。
脇の下に注入することでエクリン汗腺の活動を抑制し汗の分泌を抑える治療で、治療時間も短く5分程度で終わります。
ただ、脇汗効果は永久ではなく、何度も行わなくてはいけませんし、効果が「あった」「なし」と両方の意見が見られるのも事実です。
これから受けようかと思っている人にとって、効果はとても気になるところだと思います。また受ける病院によって費用に差があるのも気になりますね。痛みなど実際に受けた人の意見も交えながらまとめました。
脇汗にボトックスは効果がある?なし?
これからボトックスを受けようと考えている人にとって一番気になるのが「効果があるのか、ないのか。」というところだと思います。
せっかく受けたのに効果が感じられなかったらガッカリですよね。ここでは、ボトックスの効果や脇汗対策に効果的とされる理由についてまとめました。
ボトックスって何?
ボトックスというのはボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種です。このボツリヌス菌を汗を分泌するエクリン汗腺に注入することで、汗腺の活動が抑制され、汗の量が少なくなるという仕組みです。
※菌そのものを投与するものではありません。体の中にボツリヌス菌が入ることはありませんし増えることもありません。
ボトックス注射について調べていると実際に受けた人の中には という人と「受けたのに効果を感じられなかった。」「何度も受けていると効果が感じられなくなった。」という口コミを目にします。
ボトックスを受け続けて効果がなくなるということはほとんどないそうです。「ボトックスを受けたのに脇汗が出る」と感じるのは、勘違いの場合が多いようです。
ボトックスを注射することで、汗の分泌を抑えることはできますが、完全に止めてしまうわけではないそうです。暑いと脇汗も普段より出るでしょうし、緊張しても脇汗の量は増えます。脇汗を意識し過ぎることでそれほど出ていなくても「脇汗が出ている!」と感じてしまうのかもしれません。
しかし、ボトックスを受けすぎることで、ボツリヌス菌に対しての抗体が体内にできてしまうというリスクもあるそうです。抗体ができてしまうとボトックスの効果は薄れてしまいます。
多汗症とボトックスとは
多汗症(たかんしょう)治療で使用されるボトックスの量は、抗体ができるほど多くはありません。なのでほとんどの場合安心して受けて大丈夫とされていますが、適正回数というものがあり、大体3か月〜半年に1回とされています。
これを上回る回数で受け続けることで、抗体ができてしまう可能性があり、ボトックスの効果がなくなるというリスクがあるそうなので、受ける場合にはお医者様の指示に従って回数を守るようにしたほうが良さそうです。
また、本来ボトックスというのはアラガン社の登録商標のことをいい、その他の薬剤は「ボツリヌストキシン」というように区別されています。濃度や量もメーカーによって違うようで、格安のボトックスは受けてもあまり意味がないという場合もあるそうです。
ボトックス自体の種類も多くありますが、厚生労働省が認可しているものとそうでないものもあるようです。安心のためには認可を受けているボトックスで治療されるのが良いかもしれません。なので治療を受けるときには必ずどこのメーカーのボトックスを使っているのか確認するようにしましょうね。
ボトックスが効くのは「多汗症(たかんしょう)」か「ワキガ」か
「脇汗対策」というと「多汗症」と「ワキガ」を混同してしまう人もいるようですが、ボトックスはワキガには効果がありません。
なぜならボトックスを注入するのは汗を分泌するエクリン汗腺です。一方ワキガの臭いのする汗はアポクリン腺から発生しています。「多汗症」と「ワキガ」は全く別物なので、ボトックスでワキガの臭いを抑えることはできないのです。
臭いも抑えたい場合にはまた違った治療をする必要があります。
多汗症なのかワキガなのか、見分ける自己チェック
- 脇から鼻をつくような臭いがする
- 入浴後でも脇から臭いがする
- Tシャツの脇部分が黄ばむ
- 耳垢が湿っている
これらに当てはまることがあれば、ボトックスを受ける前にワキガかどうかお医者様に診てもらったほうが良いでしょう。
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脇汗対策にボトックスを受けると費用はどのくらいかかる?保険は適用されるの?
脇汗対策にボトックスを受けようと思ったとき、気になるのが費用のことです。受ける病院、使う薬によって料金は異なるので、診察を受ける前に色々な病院をチェックしておくといいですね。ここでは、費用の目安や保険が適用とされる場合についてなどをまとめました。
ボトックスを受けるにはどのくらいの費用がかかるの?
ボトックスを受けられる場所は、美容クリニックや皮膚科、形成外科などです。同じ治療をする場合でも施設によって値段が違います。使う薬の料金自体が違う場合もありますが、同じ薬でも価格の低い施設もあります。
安く受けられる施設を見つけたらうれしいですし、つい飛びついてしまう気持ちもわかりますが、単純に安いから選ぶと後に後悔してしまうかもしれません。それは、使う量が違う可能性があるからです。
一般的に多汗症の治療では両脇で100単位使います。料金が安く提示されている施設では、使用する量が少なく設定されている可能性もあります。
量が少なかったり、薬によってはせっかく治療を受けても効果が出ないこともあります。診察を受けるときには必ず「薬の名前」と「量」を確認しましょう。
前章でもご紹介しましたが、ボトックスはアメリカのアラガン社の商標登録です。厚生労働省の認可も受けていて安全性が高いとされています。
他の製品と比べると値段は割高ですが、安全性と信頼性を重視する人にはおすすめです。約40,000~100,000円で受けられます。美容クリニックなどでは初回だけ安く受けられる特典がある場合もあります。
他には、韓国製のニューロノックスやリジェノックス、イギリス製の作っているディスポート、ドイツ製ゼオミンなどがあります。
韓国製のものは比較的安価で受けられ、両脇で20,000円前後〜80,000円程度で受けられます。
ボトックス治療は保険が適用される場合もある
ボトックス治療はすべての人ではありませんが、
保険が適用になるには病院で診察を受けて「多汗症」と診断を受けなくてはいけません。判断基準としては原因不明の過剰の局所性発汗が6か月以上続いていることに加えて、以下の6項目中2項目以上を満たす場合です。
- 両側性かつ左右対称性に多汗がみられる
- 多汗によって日常生活に支障が生じている
- 週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる
- 25歳未満で発症した
- 家族歴がある
- 睡眠時は局所性の発汗がみられない
この条件に当てはまり
- 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
- 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
このような場合原発性局所多汗症と診断され、ボトックス治療が保険適用で受けられます。
しかし、どこの施設でも保険が適用になるわけではないので、事前に保険が使える施設かどうか確認しておきましょう。
こちらから施設が検索できます。
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脇汗対策のボトックスは痛みがある?
脇汗対策のボトックスは脇に注射器で注入されます。想像するとなんだか怖い気もします。ここでは、治療の流れ、痛み、メリットデメリットについてまとめました。
ボトックス治療の流れと痛み
ボトックスは脇に十数か所注射器で注入されます。注射嫌いの人はゾッとするかもしれませんが、使う注射器は採血をする時の針よりもずっと細いものを使います。
そして痛み止めの麻酔も使うので、痛みはそれほど強く感じることはないようです。
治療の流れ
- 問診、診察
- 両脇に麻酔クリームを塗り、30分程度放置する
- 注射器で注入する
ボトックスを打ったあとは少し赤く腫れたり、内出血する場合もあるそうですが、日常生活に支障が出るほどではないようです。
ただ痛みの感じ方は人それぞれです。実際ボトックスを受けた人の中には「全く痛くなかった」という人もいれば、「涙が出るほど痛かった」という人もいます。麻酔の効きがいい人、悪い人もいるでしょうし、単にお医者様の腕の違いとも考えられます。
ボトックスのメリット、デメリットは?
脇汗対策にボトックスを受けるメリット、デメリットを考えてみました。
メリット
- 5分程度の治療で脇汗の量を抑えることができる
- 注射なので傷跡が残らない
- 治療後、日常生活に支障がない
- 保険が適用になる場合がある
デメリット
- 治療中痛みを感じることがある
- 効果は3ヶ月程度で、繰り返し治療を受けなくてはいけない
- 臭いには効果がない
- 1回数万円という料金がかかる
5分程度の治療で3ヶ月ほど汗を抑えられるのはとても魅力的ですが、数万円という値段は決して安くはないと思います。
ボトックス治療にはメリットもデメリットもありますが、脇汗がひどいのはとても切実な悩みですよね。初回の相談だけなら無料で行なっているクリニックもあるので、気になる方はまず相談をしに行ってみるのもいいと思いますよ。
まとめ
いかがですか?脇汗が多いとおしゃれな服も気になって着られなかったりしますよね。特に汗の気になる夏の間だけでも対策のひとつとしてボトックスも考えてもいいかもしれませんよ。